目が覚めた。一人。周りには誰もいない。夜だろうか。ここは何処だろう。自宅ではない。祖母の家の二階。天井が低い。
ベランダに出られる大きな窓。開いている、開いていた?寝ていたのに。誰が開けたのだろう。
窓の外は祖母の家の窓から見える景色ではない。夜の町。父の友人のマンションから見た景色だ。
外に誰かが居る。
魔女だ。
小さいころから母さんに聞かされていた通り、三角帽子を被り黒い服を着た魔女が箒に跨って宙に浮かんでいた。
近づいてくる。徐々に近づいてくる。顔はまだ見えない。近づいてくる。一瞬顔が見えて、そこで驚いて目が覚めた。
ここは幼稚園だ。先生が側にいる。安堵する。大丈夫、夢だ。
少し落ち着いてあたりを見回す。
ここはどこだ?
園内にはこんな部屋はない。びっくりして先生の顔をみる。
魔女だ。
そこで飛び起きた。